んもう〜、また失敗!...叱る前に!
あきらめないで!トイレのしつけ






えらいぞ、せいちん!
ちゃんとトイレでできたね!
えっ、草を食べに寄っただけ?

うさぎの飼い方・トイレ篇
うさぎは習性上トイレをよくおぼえます。が、そうそういつでも100パーセント完全とはいきません。でも、失敗にはそれなりの理由があることがほとんど。その原因を取り除いてあげないと、いつまでも同じ「そそう」を繰り返させてしまいます。しつけのしかたと、よくある失敗について見ていきましょう。



●しつけ方法
私はうさぎの本を集めるのが趣味なので、たくさんの本がありますが、しつけの方法については、どの本も大体意見が一致しています。

1. うさぎが好みそうな部屋の隅など複数箇所にトイレを設置する。
といっても結局1つになるトイレを5つも6つも買えないので、うさファン情報局の提唱する『段ボール簡易トイレ』がおすすめ(↓)。


2. おしっこのついたティッシュ、フンなどをトイレの中に入れる。
トイレはうさぎにとってくつろぎの場なので、干し草をたっぷり入れてあげましょう。そうすると、もぐもぐやりながら用が足せて、お気に入りの場所になります。トイレに新聞を持ち込むお父さんのような気分?

3. トイレにつれていってお尻を撫で、おしっこを促す。
特に子ウサギの場合は、これをやってあげないと、自分でもどうしていいかわからなくなったりするようです。せいちんも、初めてトイレに連れて行った時はただ目をパチクリさせていましたが、おしりにちょっと触った途端、シャ〜ッと勢いよくやってくれました。

4. きちんとできたらほめる。
通じているのかいないのか? 今でもトイレに入ってるのに気がつくと「えらいね〜」と声をかけますが、効果のほどは謎。でも、マイナスにはならないので続けてもいいんじゃないかな。

5. 失敗しても叱らず、すぐトイレに連れていく。
失敗おしっこをふいたティッシュも一緒に持っていきます。

6. 失敗したおしっこは匂いが残らないようにきれいに掃除する。
おしっこの匂いが残っていると、そこに来た時にトイレに行きたいような雰囲気になっちゃいます。匂いを取るには酢が一番! アルカリなうさぎのおしっこをサッと中和、色も取れます。理科の実験を思い出して何か楽しかったりして...。

こんなところでしょうか。これでしつけが完了すれば問題ないのですが、現実世界では「事故」が起こります。



さあ失敗! どうして? どうする?

●不安おしっこ
新しく家に来たうさぎに多いですが、長く飼ってるうさぎでも引っ越したり、家具が変わったりしたのが原因で情緒不安定に陥ることがあります。こんな時は、いくら抱えてトイレに運んであげても、あまり効果は期待できません。うさぎは未知の空間に自分の匂いをいっぱいつけて安心したがっているからです。散らかった部屋じゃないと落ち着かない、という人っていますよね。ああいう心境なんでしょう。

では、どうしましょう? うさぎが気に入らない家具はどけてみるとか、うさぎが安心できる場所を用意してあげます。段ボールの空箱にうさぎがギリギリ入れるくらいの穴を一個だけ開けて、部屋の隅などに置いてみましょう。「ここなら安全」という場所があるのと無いのとでは、うさぎの行動は全然ちがってきます(↓下図)。


へっへっへっ
つかまんないよ〜だ
キョロキョロ...誰も見てないかな?


●びっくりおしっこ
聞き慣れない音がしたり、強い異臭を嗅いだり、大きな物音がしたりした時など、うさぎはギョッとするとおしっこをもらしてしまいます。これは怒っても仕方ありません。まずうさぎに「大丈夫だよ」などと声をかけて安心させて、後を素早く片づけちゃいましょう。せいちんは、はじめて宅急便がピンポン☆と来たらその場でしゃがんでおしっこしちゃいました。せいちんの恥ずかしい思い出...

●男のプライドおしっこ
去勢していないオスの場合、年ごろになるとスプレーをすることがあります。飛びながら霧吹き状におしっこをまき散らすことで、白いカーペットにでもやられたらたまったもんじゃありません。でも、これはオスで健康だというだけのことなので叱ってはかわいそうです。とはいえ、全くお手あげでもありません。

これも縄張り主張行為のひとつではあるので、そのあたりに異物がないか調べて、あれば取り除きます。駆けっこして遊んだり、ぬいぐるみなどを与えたりして発散させると落ち着いたりします。せいちんは、ある一定の場所でスプレーを繰り返すので、そこにもトイレを設置したところ、きちんと入ってするようになりました。今ではそこが唯一のトイレに。

●抗議のおしっこ
気に入らないものに直接怒りのおしっこをかける事があります。気に入らないお客さんの足とか、何げなく床に置いたカバンとか。ぎゃ〜! 最速G3ラップトップパソコンだったりすると友情にすら黄色いシミがつきかねません。

うさぎの縄張りにあらかじめ敬意を払うことをお勧めします。新しいお客さんをどうしても縄張り内に入れたい場合は、まず境界にたたずんでもらい、主(うさぎ)自らチェックに来るのを待つのが一番安全です。侵入者の匂いを一通りフンフンして去っていったら、そっと通ります。足をバンバンやったり、ハナづらで強く押したりする場合は通行許可が下りなかったので、あきらめた方がお互いと床のためです!

●おねしょ
これは、我が家が今直面している問題で、したがって解答がありません。どなたかご存じの方、よかったら教えてください。せいちんは、雪うさぎ状(左下図)にまるまって昼寝している時に限り、おねしょをします。長く伸びて寝ている時は、しません。膀胱炎か何かなのではないかと不安です。仕方ないので、お気に入りの昼寝スポットに専用雑巾を置いて、それを洗濯するようにしています。

●慣性の法則うんち
トイレの最中に人が通ったりすると、遊びたくてえらい勢いで飛び出してきたりしますよね。そういう時、うんちを連れて出てきてしまうことがあります。こういうフンは、トイレの周囲にコロコロしているので、まあ、大目に見てあげましょう。

●興奮うんち
とっても嬉しかったり、夢中になったりすると思わずコロリと出てしまうことがあります。

●ここからこっちに入らないでっ!・鉄条網うんち
縄張りの境界線に沿ってポロポロとフンをまくことがあります。これは、縄張りが確定していないように思えて今ひとつ不安だという証拠です。こんな時、してるそばから除去すると、ますます不安にさせてしまいます。うさぎが境界線が確保された、と自信を持つまで待ちましょう。わざと大きな音をたてたり、妙なものを入れて挑戦でもしない限り、1週間もすればおさまります。

●グルメうんち
せいちんだけではないと思いますが、盲腸フンだけでなくレギュラーうんちをも食するうさぎがいます。完全に飲み込むならまだしも、少しかじって、残し、また、別のを少しかじって、とやるのでそのへんかけらだらけです。今のところ対策はありませんが、傾向として、退屈な時にやることが多いようです。遊んでほしいという意志表示なのかもしれません。

おわりに
うさぎを幸せにしたいと願う一方、人間が不幸で良いというわけではありませんよね。うさぎと人間が同じ生活空間を共有する以上、トイレのしつけの問題は、決して軽視できないと思います。人間から見ればただの「失敗!」でも、うさぎにはそれなりの事情があるかもしれません。コロコロと転がったウンチが、何かを伝えようとしているのかもしれません。理解してあげましょう! そして、お互い快適に、無理なく同居したいですよね。

どうしてもトイレが覚えられないうさぎも稀にいます。そんな時は、サッ!と拭き取れるキッチンに放すとか、絨毯の上にもう一枚安い絨毯を敷くとか、飼い方を変えることで、道が開けるかもしれません。一緒にがんばりましょう!