すぐに出てこなくても、あせらないでください。もし仮に今日は出てこなくても、明日、明後日には必ず出てきます。うさぎは好奇心が強い動物なので、特に危険を感知しない場合には、新しい縄張りを探検するのが大好きです。もし、しばらく(1時間くらい)待っても出てこなかったら、とりあえず一旦扉を閉めて、何か恐い要素がないか探します。開け放った窓から聞こえる電車の音、隣のカラオケ、道路工事、パパの演歌CD、料理の匂いと音、洗濯機や掃除機など、私たちにとっては当たり前で見過ごしてしまうものでも、うさぎにとっては一大事だったりします。耳も鼻もいい、敏感なうさぎになったつもりで、環境をもう一度チェックしてください。
どんなうさぎもスキンシップなしでは生きられない。
どうしたら、もっとなついてくれるかな? どうしたら抱っこの好きなうさぎになるかしら?
緊急、移動、診療、グルーミングと、抱きうさぎにしておいて/おけばよかった、という局面は、うさぎを飼っていると、結構あります。
そんな理屈は抜きにしても、ふっかふっかの可愛いうさぎが家にやって来たら! 抱っこしたい、頬ずりしたい、一緒に寝たい.... 気持ちはわかりますがちょっと待って!! うさぎさんは準備ができているかしら? 愛情表現のつもりが、恐がらせてしまわないかな? 末長くつきあうには、最初はガマン、ガマン、なのであります。
けれども長いガマンの先には、可愛い愛兎とのハッピーライフが待っています。
めざせ、うさぎの友。めざせ、抱っこうさぎ!
| 1〜3日目 | 抱っこの嫌いなうさぎ? |ボスの座 | 抱っこ方法 |
なぜうさぎと暮らすのか... ペットとして飼っている以上、この問いに対する圧倒的多数の答えは、何といっても「かわいいから」でしょう。かわいいうさぎ、待ちに待ったうさぎがやっと来た、はやる気持ちはわかりますが、ここがガマンのしどころなのです。
新しく来たうさぎさんは、あなたにとっては見慣れた我が家も未知の空間、エイリアンにさらわれてきたようなものなのです。この時無理に抱いたり、撫でたりしても、喜ぶどころか逆効果、なつくのを遅らせることはあっても早めることは決してありません。まずは、周囲の物音や匂いなど、環境に慣れてくるまで用意しておいた小屋に入れてそっとしておきましょう。気になっても、あまりのぞきこまないようにしてあげてください。
2日目〜 呼びかける、匂いをかがせる
さて、立派に我慢して2日目を迎えたら、少しだけ接近してみましょう。まずは声です。名前をやさしく何度も呼んで話しかけます。あまり大きな声や、甲高い声にならないように注意しましょう。これから先、いつでも名前を呼んでコミュニケーションをとるように心がけてください。
さて、次は自己紹介です。といっても、名刺交換ではありません。あなたのうさぎさんは多分名刺を持っていないし、あなたの名刺は食べられてしまうでしょう。ここは、うさぎ流に匂いのごあいさつです。あなたの指をそっとケージに近づけてください。中に差し入れると、「何かな?」と噛まれることがあるのであくまでも、ケージの外にとどめてください。うさぎさんがクンクンと匂いを嗅ぐ間じっとしていましょう。これで今日は終わりです。あとは通りかかった時など、名前を呼んで優しく話しかけてあげてください。
3日目〜 いよいよ小屋の外へ!
お待たせしました、よくがんばりましたね! 3日目はいよいようさぎさんが小屋の外の世界に雄々しく一歩を踏み出す日です。まずは、ケージのまわりを、つぶした段ボールや、家具、予算が許せばペットサークルなどで囲んで、安全地帯を作ります。これは、うさぎさんが危険なところに入り込んだり、変なものを食べたりするのを防ぐため絶対に必要です。最初の囲いは、そんなに広い必要はありません。2畳くらいの何もない空間を確保しましたか? 感電の危険があるケーブル類や、観葉植物はありませんか? 噛まれてはいけない本や1億円の小切手などは置いてありませんか? トイレは準備しましたか? (トイレのしつけページ参照)万全なら、小屋の扉をそっとあけて、「ぴょんちゃん、出ておいで〜」などと声をかけます。
動かざること、うさぎの飼い主のごとし
うさぎさんが出てきたら、早速.......またガマンです。前にも言ったようにうさぎは好奇心が強いので、うさぎの自主性に任せた方が、新しい環境への順応もスムーズにいくのです。あなたは、囲った安全地帯の中に岩のように静かに座っていてください。先祖代々続く狩人ー獲物の関係を打破するために、まずうさぎさんにあなたが「無害」だということをわからせる必要があります。
小屋の外に出てきたら、うさぎさんは、まず端から端まで匂いを嗅いだり、鼻で押したりして、テリトリーを把握しようとします。あなたは、じっと座って無関心を装いながらも、常にうさぎさんの一挙手一投足を見守っていてください。囲いの中から出ていってしまったり、危険なものや大切なものを噛んだりしないように見張ります。
ファースト・コンタクト 最初の一撫で
そのうち、好奇心を抑えかねたうさぎさんが、自らあなたのところへ様子を探りに来ます。まあ、かわいい、と撫でたい気持ちをじっとこらえて、うさぎさんがあなたを値踏みするに任せます。
むこうから膝をつんつんとつついてきたり、顎で匂いつけをするようなら、上空からそっと手を近づけて、頭を撫でてみましょう。うさぎの目線から手を接近させると、うさぎは恐がります。あなた自身がうさぎに慣れるまでは、手の裏側、つまり甲と指の背を使って撫でることをおすすめします。こうすると、指で誤ってうさぎさんの弱点・飛び出した目をつっついたりすることもなく、安心です。
この時、うさぎは本能的にあなたの手の匂いを嗅いで、異物かどうかチェックします。あなたの匂いはもう教えてあるので、納得するまで匂いを嗅がせてあげましょう。びっくりして手を引っ込めたりしてはダメですよ。
| 1〜3日目 | 抱っこの嫌いなうさぎ? |ボスの座 | 抱っこ方法 |
このページを作成するに当たってご指導いただいたMorioさんにこの場をかりて
お礼を申し上げます。Morioさん、いつもすみません!!